第一回目は、時代を超えて今もなお多くのファンの支持を得ている河島英五さんです。
若くして惜しまれながらもこの世を去った誰もが知る伝説のミュージシャンですが、生前の河島英五さんを知る人は皆、そのお人柄の良さとぶれない生き様は、誰からも愛される人だったと語ります。

河島さんは、エッセイ集 「”Everlasting”!」 の中で、飼っていた愛犬ハチのことを綴っています。わずか数ページではありますが、そこには彼がペットをパートナーとして尊重し、共に野山を駆け回り過ごした姿が記されています。
山中に引越した。 (途中省略)
ひっこして一番喜んでいるのは、お父さんとハチやねぇー、とみんなにからかわれている。
ハチは捨て犬だったのを我が家で飼っている根っからの都会っ子。
猫を見ても驚くようなおくびょう者が、こっちに来て変心した。
山の中で首輪をはずしてやるとロケット花火のように飛び出してゆく。
がけを跳び越え、急な斜面を駆け登ってゆくさまは、まさにオオカミ。
♪男はオオカミ~♪
なんて口ずさみながら、ぼくは目を細めている。
犬を山に入れると山ダニにやられて死ぬこともある、と忠告してくれる人がいた。
数日ためらったが、庭につながれたままの一生よりも・・・
と、またヒマをみつけては一緒に山を駆け回っている。
「”Everlasting”!/Eigo Kawashima フォトブックエッセイ集 楠」より一部抜粋
エッセイ集の中のこの一文からは、パートナーである愛犬ハチに対しての深い命の尊重を感じます。
P-AERU は、ペットに対しての命の尊重と共に生きるパートナーとしての尊重の心を大切にしたいと考えます。その思いが河島英五さんの愛犬ハチに対する思いと重なり、「そう、そう!そういうことなんだよねっ」って嬉しくなりました。
このエッセイ集の中の「楠」には、生前河島さんが夢だった、庭にくすのきを植えるということを実現したと記されています。くすのきが我が家に来た日の夜、河島さんはくすのきに向かって何かを祈っている夢を見たそうです。
愛犬ハチと念願のくすのきの下で、河島さんは何を祈ったのでしょうか。